ロマンティック♡ラブ 公演情報 水素74%「ロマンティック♡ラブ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    文字が分かりづらいチラシが、水素74%の芝居のそれと知るのに時間が掛かったが、たまたま空いた平日昼間にピンポイントに嵌まり、即予約即観劇。
    伊勢佐木町 THE CAVE なるユニークな空間にて。地理的には近くて歓迎である。
    以前の作の「事故を起こして放置したまま逃げ帰って云々」という話を発端に据え、忌まわしい恋愛の顛末を描いている。男を翻弄するその女は敵視すべき悪女なのか、彼女なりに精一杯生きて・・という扱いかは判らないが、水素74だけに前者に寄った部分をしじみなる女優が際どく演じ、後味の悪さを残して終わる。ただこの「悪」の行動線を維持するために、やや無理気味に思われる箇所もあった。
    モチーフとしてはブス会の「男たらし」、罪深さを自覚したトーンの女のナレーション(声のみ)で繋ぐのはポツドールの何だったか・・似ていたが、水素74%としては描写の精度は高かったのではないか。
    ただし、人間模様の切り取りの意図が、そろそろ人間解剖主義から「そこに希望はあるのか」見出す方向に一つ、舵を切っても良いのではないか、という気が(何となくだが)した。見出そうとして見えなければそれはそれでまた、一つの止揚された?絶望の形を描けるのだろうし。
    俳優は皆、適役で、怪我で降板となった坂倉花奈の代わりに入った新田佑梨ものびのび演じ切っていた。

    ネタバレBOX

    破綻気味な女の行動線とは、裁判で実刑が確定し、服役する間も甲斐甲斐しく面会に通うという部分。
    自分本位に徹した女は不要な事はしない。見事に雲隠れするだろうと思う。そうならない所に、女が自分の本性に居直る前段階の若さがある。にしては、事故を起こした時点の動揺が足りない。サイコパスを思わせる不気味な出だしとの微妙な齟齬が顔を出す。計算を働かせている女にしては、簡単に男を怒らせる。
    だが、この芝居の落ちが最後の男の奇行にあるとしたら。それでも女の所行は免罪されず残るので、まあそれはない。
    そんな事で「女」の輪郭はぼやけ気味だが、実際に居そうな存在感を出している女優の根性が見え、それはそれで興味深かった。

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    2017/10/06 02:03

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