満足度★★★★
予備知識なしで行っていきなりの不思議な味の外国童話に驚いていると、売れない童話作家が登場する。この主役の成河(そんは)さんは、私は初めてお目にかかるのだが自信に満ちていて主役のオーラを感じた。身のこなしは軽快でダンサーが本職ではないかと思ったほどだ。
終演後に検索してみると10数年のキャリアを持つ中堅の方で、この春には「髑髏城の7人(花)」で天魔王を演じたという。好青年の模範のような彼が悪の権化の天魔王とは!観ておけば良かったと後悔した。
ヒロインのミムラさんは安定の好感度演技と思っていたら、びっくりするような大声も出したりして、やはりプロだなあと感心した。もちろん加藤諒さんや堀部圭亮さんもいつもの味を出している。
しかし私的には思いがけずも遭遇した今野浩喜さんが一番の収穫である。
キャスト名の一覧を見ても素通りだったが登場したとたんに、(解散した)「キングオブコント」のボケの人だと気づいた。
彼の素人然とした容貌とでかい態度、奇妙な笑いが最初の童話などと積み重なって、観客の心に笑いと同時に不安を生じさせ、後半へとつなげるのである。
会場は池袋西口公園内の「東京芸術劇場」2階の「プレイハウス」、定員834人の中規模ホールである。椅子は私に合っていて他のホールよりずっと快適であった。
音響設備も充実していて激しい低音や銃声には心臓が悪い人の心配をしてしまった。
休憩なしの2時間20分。水曜の昼ということもあってか8割は女性であった。
こんなに女性が多い舞台では昭和のプロレスネタはほとんど通じていないと思うのだが。そうでなくても賞味期限切れでしょう。