メビウス‐201709- 公演情報 リンクスプロデュース「メビウス‐201709-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    2組(A・Bチ-ム)の演技の違いが物語の印象を変える。そこに脚本の力、演出の妙を感じる。

    Aチーム(田代圭佑&今池由佳) 9月27日
    Bチーム(三浦 求&澤井里依) 10月1日
    ちなみに、第29回池袋演劇祭公式パンフレットに載っている写真は、Bチームの2人であった。

    演技力の甲乙を付ける記載はしない。それぞれのチームに特長があり、今回観られなかったC・Dチームも違った雰囲気で物語を紡いだであろうから。
    また、演じるチームの数だけ物語は違って見え、変化し続けるだろう。その意味で、自分勝手に今後の楽しみと期待を込めて☆4つとしている。【演技】

    ネタバレBOX

    時空に生きる生命(いのち)…アンデルセン「マッチ売りの少女」を思い出す。その中で「流れ星は消えようとしている誰かの命」と言っていたことを思い出す。最後のマッチに火をつけた時、祖母が現れ少女を抱きしめ空へ昇って行く。人の魂は永遠であり、人は死して星になる。この公演では廃棄されるために送られてきた、この星こそ…そんなことを連想した。

    エネルギーが切れる寸前、2体のアンドロイドが交わした「思い出してくれてありがとう」…その言葉を巡って記憶の旅路が始まる。そして旅を通して忘れないという”約束事”が思い出される。それは人間にとって原始的、そして極めて単純な取り決めという。日々の小さな幸せが戦争によって壊され離れ離れになる。その瞬間交わされる言葉、手を離さない、ずっと待っているに哀切が…。

    【Aチーム】
    場面ごとに今起きていることが一瞬のうちに過去になる儚さ。先に待っていることに不安が募る。そんな静的の繋がりが滲み溢れる。
    男女ともロボットパフォーマンスは、その動作が大きく今の技術レベルを思わせるもの。また人間としての戦闘アクションは、切れ・勢い・ダイナミックさが感じられ迫力があった。今池さんの湖の畔場面は、絵画の中の水汲みシーンのようで静謐感漂う。一方戦闘シーンは椅子に乗るなど一変して激しい動作。その時の語り口調(口跡)が強く、何故かショウダウンの女優さんを連想してしまった。硬質・透明で美しい宝石、そして孤高といったイメージ。

    【Bチーム】
    愛という目に見えない概念を、具体的な細部によって具現化する。日常の感覚にピタッと寄り添っている感じである。例えば、何を食べたいか?食べるという生活、そこにささやかな営みが見える。その視線と描写を生き活き(動的)とポップに演じる。
    2人のロボットパフォーマンスや、人間の戦闘アクションは小さい。楽しい生活の思い出の断片が紡がれるイメージ。澤井さんの落ち着きのある口調、緩い笑いを交える楽しませ方(桃太郎物語-三浦さんの 犬、雉(隼)、猿(ゴリラ)という変顔)で和ませる。アクションでもBOXへは1回しか上らない。それでも物語を動かす力を感じる。

    A・Bチームそれぞれに特長があり、物語の雰囲気が違って感じられる。その演技は音響・照明効果も違って感じられるほど影響させる。しかし両チームとも紗幕の向こうに見える白い花…その余韻は見事に引き出していた。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/10/02 16:54

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