7/19マチネ観劇
スポーツはまったく興味が無い。
応援する団体も無い。
でも、この芝居はそんな人もきっと、最後は月光アイスブレーカーズを応援したくなる。
2時間15分の中に熱い彼らの気持ちがずどんと胸に残る。
再演と言う事だが、前回を観ていないため
実際どうだろうか?
専門用語とか出ても、ルールも分からないし、
そもそも、スポーツ興味ないし・・。
劇中の様々な登場人物の対比が面白い。
特に新人3名とベテランの描き方が良かった。
鼓舞する彼らの根底にある「自分の為」に、「チームの為」に、そして、実際のモデルになってるチームの背景にある「チームを応援する多くのサポーターの人たち」の為に。
応援する人たちとのエピソードを語る場面で、泣きそうになった。
ただ、熱いだけではなく、アイスホッケーというスポーツを通じての人との物語だった。
ロビーから未来チックな通路で客席にむかい、劇場内に入った時、一瞬、足が止まった。
「あれ?劇場じゃない・・・、アイスリンク?かっっこいい」
上からみる光景は特にそう感じる。
良い舞台は、第一印象が良いのだ。
劇中の音楽や、照明、特に電飾の効果は本物のリンクに居る様な錯覚に陥る。
激しい試合の描写は、ダンサブルに表現されていてリズムを足で取りたくなる。
小島 悠平役のクロムモリブデンの森下 亮さん。
クールな感じかと思いきや、熱い、そして、ヒーローの様な人にも
プロの世界での厳しさを体験している。
穏やかに微笑んでるけど、視線が鋭く、ぴしっと空気を変える。
瀬川英一役の岡野康弘さん。劇中で唄を歌われるシーンがあって、「おおお」となる。
この方も、色んな役柄を演じる方だが、今作は黙っていれば優勝チーム
から、移籍してきた経歴で、他からみたら、「なんで?」となるのだが、このチームだからこその充実感を感じさせる演技だった。
劇中、スティックを手に取り、踊るとある場面でスティックにキスをしたような仕草があった気がした。ミーハーな発言だとは思うのだが、きゅんとなってしまった。
織田 寅雄役の犬と串の板倉武志さん。何回か、犬と串で観劇しているが今回は板倉さんらしいというか、物凄くアテガキのような役柄と板倉さんがしっくりきていたように感じた。
大きな体と反比例したメンタルという、設定。そこからのどう成長していくのか、劇中母のような気持ちで見つめてしまった。
ファルコンズのメンバーも、ベンチにいる時(舞台上からはけているとき)
でも、かなり、細かい芝居をしていた。
(上手だったので、よく見えた)
そして、ダンスの場面は流石です。
本当に、一緒にリズムを刻んで乗りたかった。
ただ、五十嵐 結也さんが目の前にいらっしゃると、つい褌姿がオーバーラップしてしまうというトラップが・・・。
今作は、「スポーツ」=「根性」という鉄の法則を
0%にも100%にもしない。
「熱い」想いは受け取るんだが、「暑苦しい」とはならず、
押し付けがましい「すぽこん物」では無い。
なんという形容が一番適してるのだろうか。
スポーツやアイスホッケーに興味ある・なし、
知識ある・なし、
俳優を知っている・知らない
そんなのは関係なく観るとワクワクして、ドキドキして、楽しくて
ほろりとして・・・。
人と人の繋がりや、頑張りっていいなと思うような舞台だった。
あとは、色んな葛藤を皆が抱えて、そこは年齢の層で色々ちがうんだなっていう演出も面白かった。