ウロボロス 公演情報 Straw&Berry「ウロボロス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    始まりが終わりだった。終わりが始まりだった。


    ずっと、ずっと、あの夜にいるのかもしれない。


    でも、きっと、けしてHAPPYではないけど、皆の様に、彼も前に進もうとして、進もうとしたけど、でも・・・。


    観ていて、物凄く胸が苦しくて、でも、みつめていたくて、まだ、感想はまとまらず、ぐるぐると。赤い星がみえる時間になったら、今一度、想い出そう。


    何故?「シゲル」はあれだけ狼狽しているのか。
    段々、時が戻されてるようで
    進んでいるようで・・。


    「シゲル」冒頭。タオルをもって
    怯えるような、憔悴しきってるような、今にも
    死んでしまいそうな、ココロが壊れかけてしまってる様な
    すがりたい、叫びたい、泣き叫んで、消えてしまいそうな・・・。




    「チエ」はもう、居ない世界で、「シゲル」は生きていて。
    でも、まだ、始まりのあの一緒に音楽を聴いた時からぐるぐる、ぐるぐる
    何度も、進もうとしてるけど、周りがどんどん進む中
    あの「時」のまま。


    でも、進んでしまったのかと。
    あの狼狽した「シゲル」は
    誰を殺したのか。
    殺してないかもしれない。
    殺したのかもしれない。
    「チエ」を忘れ、前に新しく進もうと決めた「コバ」を殺したのかもしれないし、違うかもしれないし・・。
    2度目の「シゲル」はタオルをもって、音にならない
    呟きを続ける
    「シゲル」はあの時、何といっていたのだろうか・・・。
    「懺悔」なのか、「言い訳」なのか、彼があの時
    なんと言っていたのか・・・。
    知りたいと強く思った。


    「コバ」は優しかった。
    仲間の中で一番、大人になったのが彼だったのかもしれない。
    人を許し、自分も許し、「未来」と呼ばれるものを
    目指したのかもしれない。




    「チエ」を間接的であるのかもしれないが
    交通事故で死なせてしまった「ケンタ」と「ユッチ」。
    (私はそう解釈している)


    止まっていた時間を動かしたのは、「コバ」だった。
    もう、前に進んでいいと・・。
    「ケンタ」も、「ユッチ」も苦しんで、でも、二人で
    進もうとしていた。


    仲間の中で
    「シゲル」だけ、ずっと、ずっと、止まったまま。
    止まりたい訳では無いかもしれない


    就職、結婚、過去を忘れる訳では無いが
    仲間は皆、進む。
    「シゲル」は過去に「チエ」と話した一度も行った事の無い「東京」にいて
    好きな芝居も、もう、辞めている。
    「自分」はどこにいるのか?
    止まった時を動かせずに、居たのだろうか。
    星に願いを呟いても
    そこには、現実しかない。





    私は、ラストシーンで
    「チエ」が「シゲル」の頭を撫でたシーンが一番好き。
    あのシーンで、やっと、息をつけた気がした。
    きっと、私も「シゲル」の頭を撫でてあげたいと思ったから。
    もう、いいんだよって。
    もう、忘れてもいいんだよって。
    弱くってもいいよ。



    忘れちゃうと消えちゃうんだけど、
    やっぱり、進めないのは見ていて辛い。
    だから、忘れちゃっていいんだよって。


    https://youtu.be/HKh6XxYbbIc

    ああ、言葉が出てこない。
    私が今まで体験した事の無い感覚だった。
    考えるよりも、
    感じる芝居。


    「自然」に演じるって一番難しい。
    でも、このStraw&Berryの俳優の皆さんは
    それを具現化している。
    そこに、今回、本公演を初めて観て
    衝撃的だった。



    同じ経験は無いけど
    同じ痛感を感じる。
    そんな、芝居だった。
    心拍数が尋常ではないほど上がったのは
    自分でも予想していなかった。
    危険だ・・。
    なんだよ・・・、これ・・。


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    2017/09/25 23:59

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