現実のリアルとは別の場所に存在する異形耽美な江戸川乱歩のリアル。原作のままであればそのグロテスクさと過激なわいせつ描写で、かなりビジュアル化の難しい作品。作・演出、渡辺和徳氏の演劇的技法と乱歩が紡ぎだす文章さながらの台詞によって演じられた9PROJECT版「芋虫」。原作の世界観を活かしつつ薄幸の女性時子の「献身的な哀しみ」と「異常な情欲」の間で揺れ動く“美”を感じるほどの作品に仕上がっていました。
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2017/09/18 14:03
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