イマジネーション・レコード 公演情報 Nibroll「イマジネーション・レコード」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    nibrollは矢内原美邦を含む異ジャンルのアーティストが集うユニット。ミクニ・ヤナイハラ・プロジェクトは矢内原主宰の「演劇」をやるプロデュースユニットで岸田戯曲賞をとったのはこちら。
    ・・なのだが素人には二つの区別は曖昧で、よくよく思い出せば、ミクニの方は機関銃のように台詞を吐き出し合う形態だが、nibrollの今作、出演者らが絶えず動き、走り、喋りもする「舞踊」系パフォーマンスも、表現形態の差ほどには、本質的な違いはないように感じたりする。
    姿形の美より、行為の質から組み立てられた一連のシーンは、これを踊っている若者たちへ「innocentであれ」と願いを込める演出=師匠の影が浮かぶような、従順な弟子の姿が印象的なパフォーマンスだ。
    中央に相撲の土俵位だろうか、照明によって円形にくり抜かれた部分があり、全体の照らし方を場面により塩梅し、計8人だったか、その円を出入りしたり通過したり、最初の衣裳は一枚ずつ脱がれて行き、不可逆な時間を刻む。声を掛け合ったり、グループに分かれて歩を進めたり、孤立でなく共同して何かに取り組んでいる様がある。これに何をイメージしたか・・逼迫した事態に手をこまねいている余裕はなく、とにかく何かしなければならない・・頭を働かせよ、動け、そこに人が居る、手を組め、前に進ませよ・・。人の皮を一枚剥げば、孤立ではなく、この「実態」がある、との説か・・?分子が絶えず振動している様?眼球も人の心理も同じく動き回り、とどまる事がない・・事実の描写か願望か。
    何かを感じたがはっきりコレ、というものに着床せず、ふわりとした感触のままを持ち帰った。

    ネタバレBOX

    冒頭は闇の中から1(右足を前へ=強く)、2(左足を後ろ=弱く)とリズムを刻む集団の足音が響き、ようやく上がってきた照明が正面(客席側)を向いて歩く踊り手達を照らす。
    紆余曲折?あって終演に近い事を知らせるMが鳴ると、照明が落ち始め、円の上で彼らは冒頭と同じ歩を刻み出すが、リタルダンドで照明のアウトに合わせて止まる、という演出だった。私としてはまた暗闇に戻り、同じく力強い足音が響く、と行きたかったが・・そうしなかった理由を考えながら劇場を後にした。大した考えは浮かばないが、〆メに拘る自分とは?

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    2017/09/13 01:56

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