満足度★★★★
新劇団の円が、このような舞台をわざわざ外国の演出家を招いてやるのはどういう意図があるのだろう。確かにこのところヒット作はないが、何もこの程度のフィジカルシアターをやったからどうと言うこともないだろう。確かに俳優には刺激になるかもしれないし皆嬉々としてやっているが、内容が薄すぎる。これが人生だって?? さびしいではないか。チェルフィッチュや地点を引き合いに出すのは気の毒だが、こういう小ぎれいなだけ、内容も適当に時事に合わせ、と言うフィジカルの時代は終わった。こういうのはもうダンスの連中に任せて、外国と言うなら、米英の優れた新旧の本邦未上演の戯曲がいくつもあるではないか。そうなれば円の俳優も実力を発揮できるし、吹き替えで着いた悪い癖も取り払うことが出来るだろう。いわゆる新劇系の劇団(と言われるのが嫌のようだが)の中では最も視野も広く期待している劇団なのだから。しかし、2時間15分。吉祥寺で満席は何よりだが、隣の席の業界らしき観客は終始眠っていた。