満足度★★★★★
「二階堂ふみは良い!」という先輩の言葉を信じて、下北沢本多劇場までやってきた。
その言葉が真実であることは舞台が始まるとすぐに証明された。
チラシの筋書き通りの「扱いにくい一人娘」が見事に目の前に出現したからである。
「宮崎あおい似の若い人」くらいの認識しかなかった私はすぐに「申し訳ありませんでした」と心の中で深く頭を垂れたのであった。
そもそも出演者が7人しかいない舞台に実力不足の役者さんの入る余地はないし、このチタルの役はストーリー的にも重要なもので、ここが弱点になっては舞台が成り立たない。
終演後にじっくりとWikipediaを読んでみるといろいろな賞も受賞しているとのこと、さもありなんと納得の演技であった。
次の舞台も必ず見させていただきますのでお許しを。
第一容疑者のヤサブロウ役の眞島秀和さんはテレビでもお馴染みだ。
いつもの眉間にしわを寄せた面倒くさい奴が基本ではあるがそこにちょっと色が付いていて楽しめる設定になっている。
主役の三宅弘城さんも大きな役ではないがテレビでたびたび見掛けるマッチョな方である。失礼ながらシリーズ物の舞台の主役をなさっているというのは意外であった。その意外性も見に行こうと思った理由のひとつではある。何でもこなす方なのであろうがこの執事役はピッタリはまっている。
他の出演者のうまさももちろんだが特に当主役の大堀こういちさんの安定した演技が印象に残った。
そういうわけで途中休憩なしの2時間5分は十分に楽しむことができた。