旗を高く掲げよ 公演情報 劇団青年座「旗を高く掲げよ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/07/28 (金) 19:00

    座席1階A列6番

    今、日本人が新たにナチスドイツ下の庶民の生活を描くことには、時代の要請があるのだと思う。彼らのような悔恨を抱かないために。
    脚本家・演出家の時代に対する矜持を感じさせる力作。

    ネタバレBOX

    結局、自害しなかったハロルドと妻レナーテ、彼らの信条というのはそんなに儚いものだったのか。娘が生きていることを祈っている、私たちはナチスに騙されたと言い切る厚顔さには、悔恨の情は、微塵も見られない。彼らが父親と娘を殺したのではないか。
    抗うことをせず、自らの判断に頼らず、多くの友人たちの助言に耳を貸すことなく(むしろ、彼、彼女らを蔑んでいるかと思われる)、自己正当化を図る。醜悪だ。もちろん、私自身が同じ境遇だとして、声を上げて時代の風潮に抵抗できたかと言えば、それはできまい。
    しかし、自らの間違いを認識し反省できる人間ではありたい。
    ナチスの次には、嬉々として社会主義の受容にいそしむ2人を見ていると、ユダヤ人オットーの懸命な(あるいは賢明な)生き方が眩しく見える。
    この夫婦が長命にして、ベルリンの壁崩壊を観た時、彼らが国家社会主義・ナチスが悪い、と罵ったように、ソビエト社会主義が悪いと、また罵るのだろうか。

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    2017/08/02 12:20

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