満足度★★★★
東京芸術劇場が招聘する外国のパフォーマンスは一風変わっていて面白いものが多い。このところ、ダンス系、大道芸風のものが多いが、素人が外国へ突然行ってもみられるわけではないので、なるほどと思いながら見物するいい機会だ。税金ならではの企画で、ぜひ今後も大手興行資本に惑わされることなく、こういうことに使ってもらいたい。今回はスイスの一人芸(アシスタントはいるが)。外国のもので感心するのは動きが速いこと、振付がシャレていることで、この二点はなかなか追いつけない。体型の問題もある。(向こうには能狂言が出来ないのだからおあいこともいえるが)。音楽もよくあっている。大型の木枠を使ったナンバーはおおむね面白く、少し古くておセンチだが、旗を使ったナンバーも私は気に入った。体がバラバラになるのはその仕掛けが先に立ってウイットさが足りなかった。先に言ったことと矛盾するが、以前ここが招聘したルーマニアの演劇はよく出来ていて感動した。小さな国のいい芝居もこれこそこういうところでやってくれなければどうにもならない。一人芸より金はかかるだろうがお願いしたい。