満足度★★★
ドラマを観る感覚で観るのが良いかと思います。
「過去」を扱った本ですが、肝腎の「過去」の描き方が不十分だったかなと思いました。
歌うシーンが多用されていますが、ドラマの構築には大して寄与していないと思いますし、劇中の台詞ではありんませんが、耳に障る感じがしました。
使うのなら一曲。それも、二人の葛藤を背景に書かれた曲という構成で作り上げて欲しかったと思います。
主人公は彼氏を待つ設定になっていますが、別れのきっかけがほんの僅かな触れられ方でしかないので、そこに感情移入は出来ません。その分真実に重みが感じられませんでした。
謎解きの形式を執る本だけに勿体ないと感じます。
周囲のエピソード主に姉弟の話は対比にもなっていないので、取ってつけた感があり、消化不良を覚えます。
個々の部分の運び方は見せてくれるので、主になるテーマとその枝葉という構成力に気をつけて描けたら、遥かに上質な集団になるかと思います。
途中に展開されますが、よかれと思った事が反面「利己的な想い」になりがちだという方向で描き切れてたら、それはそれですごく深みのある話しになれていたかと思いました。
脇の演技陣は好感が持てました。
自殺志願者(?)の方は個人的には役者を感じませんが…。
これからを期待したいです。
本当にそう思います。