変更と加減 公演情報 劇団冷たいかぼちゃスープ「変更と加減」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

     タイトルから察するに当然、シナリオの方向性、観客への斟酌、そして普遍性へ向かう道筋が想定されるが、

    ネタバレBOX

    このうち実現されているのは、シナリオの方向性くらいだろう、だがこれも片肺飛行ではある。確かに扱っている問題、苛めや自己中など世界中に蔓延し、而も解決が難しい問題を扱っているので作劇化自体にかなりの困難が予想されるのだが、であれば、主題をもっと絞った方が良いのではあるまいか? 
    劇的なもの・ことのベースになる如何ともし難い必然性が土台部分に無いことが原因で、科白で説明する部分が目立ち、宿命や運命として必然的にそうなるという演劇の基本が抜け落ちてしまった。作家は透徹した視線でもの・ことを観る必要があろう。そうしなければ、今作で描こうとした人間関係の拠ってくる地盤が見えてこない。状況の如何様にもし難い必然性を前提にすることで、ドラマツルギーが生きるということを分かっていないと見た。それかあらぬか、表現の人称も一人称表現の稚拙なものが多い。作家は肝に銘ずべきである。他者に対して発表する作品は、少なくとも三人称をベースに組み立てられているということを。結果的に一人称を用いる場合でも、それは三人称経由の一人称、二人称であるということを。少なくとも一流の作家はこの程度の芸当はこなしている。

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    2017/07/18 13:55

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