満足度★★★
“いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校”を舞台にしたロロの「いつ高シリーズ」は4作目を数え、これまでの3作と合わせて一挙上演されました。4作とも上演60分と上演前のセッティング10分の計70分です。3/7の追加公演の日にvol.1~vol.4を連続で拝見したので、高校演劇の大会を鑑賞するような体験にもなりました。
作・演出の三浦直之さんがこのシリーズと高校演劇の説明をして、セッティングの指示を出し、開幕します。高校生らしいカジュアルな制服姿の俳優が「長い方のベンチ出しまーす」「新校舎側のパネル出しまーす」などと言って大道具を運んで設置するため、舞台がどのような場所なのかのヒント(ベンチがある、校舎がある等)が得られます。そこは高校演劇とは違うところでしたね。
30歳ぐらいの男女が17歳前後の高校生を演じるという“無理”が前提になっています。そのまま受け入れられれば良かったのですが、私には俳優がかまととぶっているように見えて、残念ながら素直に物語を楽しめませんでした。また、顔の表情で状況説明をする演技が多く、たとえば「噂が好き」といった役柄の特徴が信じられませんでした。行動のもととなる動機が見えづらいこともありました。
登場するのは放課後の中庭でコイバナをする女子高生3人だけですが、vol.3までの話も出てくるので、登場人物がもっと大勢いるように感じられました。
戯曲はvol.1とvol.2が公式サイトで無料公開されています。挿絵が可愛らしいですね。