満足度★★★★
原作小説でシュールな作品を、より「具体的」な演劇にするのは難しい。字で読む想像力と、俳優によって見せられる世界の落差とでも言おうか。この小説はもともと人間の想像力について疑義を呈しているので、さらに難しい。鐘下脚本は原作の「名せりふ」?を生かしながら、その分明ならざる世界を、若い俳優たちを抽象的な舞台で演出する。その自信たっぷりな展開に引き込まれてしまうが、結局は、とても二時間では読めない原作を、久しぶりに引っ張り出してぱらぱらとめくった感じである。それを良しとするか、苦痛と感じるかは、観客それぞれの「脳髄」による。
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2017/06/07 09:57
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