満足度★★★★★
鑑賞日2017/06/02 (金) 19:00
ローラント・シンメルプフェニヒの「語りの演劇(Narratives Theater)」とはそういうことだったのか。本来、演劇とは「語るな、演じろ」ということが基軸だと思っていたし、説得力を感じていた。しかし、壁も扉も階段もない空間で、床に示されている位置や状況のみを説明する文言。登場人物は舞台装置の変換ではなく、自身の発する言葉で、今の自分の状況を示し心情を吐露する。始めは何とも違和感を感じたけれど、進行するうちに、その最小限とも言える身体表現が言葉で膨れ上がり、何よりも大きな説得力を持ってくるのである。なるほどね。