満足度★★★★
働けど働けど得られるのは僅かな収入。
それすらも日々の鬱憤を晴らすべく酒と賭博と女郎屋で瞬く間に消えてしまうワーキングプアの世界。
フラストレーション渦巻く舞台には事件が勃発しそうな火種が沢山転がっており、常に緊張感が絶える事がなく、2時間40分(休憩有)は瞬く間に過ぎていきました。
ストーリーを知らなかった為、てっきり大金を手に入れるチャンスを得たジョージが、単純に足手まといのレニーを裏切ってしまう話かと思い込んでいましたが、実際にジョージのとった行動はもっと深刻で心揺さぶられるものでした。
人と人とがぶつかり合い転がっていく物語。
主人公ジョージ&レニーに対して反発する者、信頼する者と登場人物たちは作品にどんどん彩りを加えていきますが、最も作品に色濃く影響を与えるのは、頭の弱い大男レニーではないかと思います。
Bチーム レニー役の雷太さんは、かなりルックスが良く泥臭さの面ではマイナスに感じますが、ジョージが相棒としてなかなか見捨てる事ができない魅力を持った人物としての説得力は充分にありました。
Aチームではまた違った印象を残す作品になっているのだろうと思えます。
ひょっとして脚本家 野島伸司氏はこの作品に影響を受けているのでは?と思えるところもあり、何より名作ならではのスケール感溢れる公演でした。