満足度★★★★★
鑑賞日2017/05/30 (火) 14:00
鶴屋南北の作品における「お岩さん」の怪談話はエピソードのひとつであり、
実は当時の社会の縮図のような、濃密な世界を描いた作品であることがよくわかる。
登場人物の個性が、それぞれの出自と生育環境の違いもあって鮮やかに描き分けられ
その結果としての悲劇が際立つ。
原作に忠実な現代語の台詞が的確で、普遍的な人の心情がストレートに響く。
6時間の長尺にも拘わらず、アフタートークに残った人数が満足感を示している。
いつもながらこれほど面白く、内容の濃いアフタートークを、私はほかに知らない。
江戸の歌舞伎の時代性と勢いを、新しい装いで蘇えらせてくれてありがとう!