満足度★★★★
地方在住の作家の誠実な小品で、好感を持って持ってみた。この女性作家は確か神戸の小劇場のリーダーで90年代後半には東京でも公演を打ったと記憶している。その演劇少女が結婚して岡山でこういう芝居をコツコツ書いているかと思うと、ある種の感動がある。時に地方(と言っても過疎に近い)に行くとこういう生活があるだろうな、と想像させられることは多い。だからどうだ、と言うのは都会人の驕りだろう。円も、新劇稀の美少女だった高林由紀子、嘱望された青年・大谷朗が中老の役で出ていて彼らにもある種の感慨がある。精一杯真面目に人生と取り組んでいる、と言う芝居と妙にダブるのである。芝居の中身は置いておいて、という最近稀な観劇体験だった。