河童村ブルース 公演情報 ものづくり計画「河童村ブルース」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    チラシには、「過疎化に悩むある村に”美人過ぎる若き女村長”が誕生した!」とあり、その絵柄(写真)は、ヘリコプターが飛びスーツ姿の男女5人。洗練されたビジネスドラマ、またはシャープな刑事ドラマといった雰囲気で、とても過疎化と結びつかない。その美人過ぎる村長には、元宝塚歌劇団雪組男役スター・蓮城まことサン。2016年退団後の初舞台だという。その彼女がチラシの中心、斜め45°に見上げた顔(姿)が凛々しく、劇中での役柄とのギャップに驚かされる。
    (上演時間2時間強)

    ネタバレBOX

    会場の赤羽会館は初めて。舞台は高い天井の特長を活かし、三階位のイメージの段差を設け、上下の動きによる躍動感、別場所への移動を視覚的に捉えさせる。真ん中に河童の立像がある。

    梗概…過疎化が進み、限界集落と化した東北の村-河童村。そこに若き女が移住してきて歓迎会を催すところから始まる。東京のコンサルティング会社で町おこしを担当していた。偶然の村長選挙の時期、立候補したところ村長に当選した。
    この村には色々な事情を抱えた人々がいる。村は何の取り柄もない廃村を待つような、そんな諦念に似た雰囲気が漂う。そこで新村長は村を活性化させようとアイデアを出すが、伝統に拘る村人達が反発し、美人過ぎる村長VS古すぎる村人達は一触即発状態。

    過疎化が進んだ村(場所)は、外から隔絶して閉鎖的になり物語にしやすい。村に固有の人間、そこで生きたい人々を温かい眼差しで描く。村で生まれた人間が持つ宿命なのか?一人の人間では解決出来ない、生まれた土地を背負って生きている様子がよく出ている。
    狭い特定の社会(例えば苗字が同じ)の中で育った人々と、東京という都会から引っ越してきた若い女性という、旧守VS新進という立場の違いが分かり易い。

    村長選挙で、村民12名中7名で当選ということは現実にはあり得ない。その後、年寄りが住んでいるような台詞も出てきて辻褄が合わないところもあるが、そんなことは卑小。

    河童村の伝承のような…ホラ河童の話。嘘つきの河童は川で溺れたという言い伝えは、その村に居た実在の人物をモデルにした話だという。そのホラは過疎化への警鐘、人を村に繋ぎとめる方策だと…。その夢の描きは、時を経て実現への一歩を記した。
    ラスト、登場人物全員で河童踊り(村の伝統)を披露するが、蓮城サンの振りと切れは素晴らしかった。その彼女も退団後、宝塚イメージを一新するような、まさしくチラシ同様の一歩を記した。

    次回公演を楽しみにしております。

    0

    2017/05/05 17:06

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大