満足度★★★
鑑賞日2017/05/01 (月) 15:00
1日午後、目白のシアター風姿花伝で上演された劇団肋骨蜜柑同好会の公演『遠き山に陽は墜ちて』を観てきた。これは、昨年来注目している役者・嶋谷佳恵が出演していた関係からである。この肋骨蜜柑同好会という劇団、名前は前々から知っていたが、実際に観たのは今回が初めて。それにしても、シアター風姿花伝に目白駅から徒歩で向かうのは少々疲れた。
舞台の内容であるが、タイトルから連想されるイメージとは少々異なる。
病気で無職のエミコと画家を目指し花屋でバイトをしているタケシの姉弟一家。ある日、偶然にも人間らしい生き物(後にロジーと名付けられた。実は宇宙人らしい)をエミコが保護し一家と同居を始めてから起きる様々な出来事がつづられた舞台。タケシのバイト先の花屋の女性店員、酔っ払いの隣人主婦、怪しげな刑事、オタクライターと担当の編集者。登場人物を観ただけでも怪しげな内容が想像できる。赤いバラに執着するロジーは、過去に赤いバラを巡って何かあったらしい。しかし、その赤いバラは自分的にはどことなく血を暗示しているように感じた。
結局、登場人物達のロジーを巡ってのドタバタを経て、最後は姉を残し、弟はロジーと宇宙に旅経つ。いや、旅だったらしいが、観ようによっては2人とも自ら命を絶ったとも受け取れる結末であった。
熱演だった姉役の嶋谷、怪しげ感を上手く出していた刑事役の久保広広亘、どこか煮え切らない弟役の澤原剛生など、各役者は与えられた役の持つ個性を好演していて見応えがあった。
強いて言うなら、この劇の最終的なテーマは何か?、タイトルとの関連性は?
舞台を狭いながらも姉弟の家、喫茶店、花屋、宇宙と4分割していた演出はなかなか巧みだったのではないか。
開場から開演まで、舞台で静止パーフォーマンスを魅せた出演者は苦労だったろうと思う。意味のあるパーフォーマンスだったかは、観る側個々の感性の問題だろう
2017/05/03 23:03
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