「ワーニャおじさん」 公演情報 劇団つばめ組「「ワーニャおじさん」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    たいへん格調高くしあがっていた。本作品のなんたるかが、すごくわかって来た。チェーホフの世界が、少しずつ理解される。まことに貴重な体験をした。

    ネタバレBOX

    ワーニャおじさんは,あまりおもしろいと思わなかった作品だが,演劇集団がかわったせいか,内容がわかって来たせいか,楽しめた。それは,前の団体が下手だったわけでもなく,おそらく観客側の問題だろう。(ちなみに,本団体が,前回扱った『タルチュフ』DVDは,ややくだけた演劇であった。)

    ワーニャおじさんは,教授夫妻にたいへん思い入れがある。そもそもワーニャ―は地主の一員だったようだ。しかし,絶世の美人=妹が教授に嫁ぎ,姪のソーニャが生まれた。気が付けば,妹が夭折すると,さらに美しいエレーナが後妻となって,ここに教授夫妻が,ワーニャ一家を乗っ取った。

    教授が,それなりに世に出るためには,ワーニャ家は全会一致で応援した。金銭面から,秘書的な仕事をしてあげた。そのメンバーには,老いたワーニャの母も参加していたし,ソーニャもいた。だが,もっとも教授に熱をいれたのは,ワーニャ自身であり,そのために人生を棒にふったともいえる。

    しかし,教授は,利用するだけして,彼はワーニャ家に冷たい仕打ちをする。そのために,ワーニャは怒り,ソーニャも同情する。

    教授の後妻,エレーナは,ソーニャのあこがれのひと=医師アーストロフと不倫の関係に向かう。ワーニャは,そもそも昔から,エレーナに夢中だった。エレーナは悪い女なのだろうか。

    『かもめ』と同じような時期に発表された『ワーニャおじさん』は,かもめと対になっている作品だったのかもしれない。そう考えると,比較しながら,新しい発見が生まれる。良い演劇。非常に完成度の高いものだったと思う。

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    2017/04/22 23:49

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