満足度★★★★★
鑑賞日2017/04/09 (日) 14:00
良かった。孤独死した弟の死体、部屋を片付ける特殊清掃員の兄。なんともシュールな設定だし、とにかく切ない・・・兄役の甲本さんはさすがの演技。弟役の恩田さんの演技は観ていて苦しくなるくらい哀しかった。嘘をついて生きながらも決して1人にはなれない。誰かに、何かにすがっていないと生きていけないけど弱みも誰にも見せたくない。虚勢を張って生きる弟。その演技を見ているだけで涙が出てきた。
終盤、清掃が終わったガラリとした部屋で兄は岡山に住む母親に電話をかける。
「苦しまずに亡くなったみたいよ。友達なんかもたくさん駆け付けてくれて・・・」
嘘などつかず、実直に弟を守りながら生きてきた兄の「嘘」。ここの甲本さんのシーンにすべては集約されていた舞台だった。
笑わせようとせずとも笑えるし、泣かせようとせずとも泣かせる。ONEOR8は物語も演技も素晴らしい。
個人的には、兄弟の「母」を演じた異議田夏葉さん、最高!