あるいは友をつどいて 公演情報 ハツビロコウ「あるいは友をつどいて」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     所謂学生運動は、1972年の沖縄闘争以降急速にその勢いを弱めていった。

    ネタバレBOX

    大衆の動員が減りセクトによってはヘゲモニー争いに明け暮れるものも出てきた。大衆との闘争に乖離を生じたセクトの多くはラディカリズムに走った。今作に登場する東アジア反日武装戦線”狼”もラディカルに傾いたグループの一つであった。彼らは、1974年8月30日、丸の内の三菱重工本社ビルに時限爆弾を仕掛け爆発させた。無論、人を殺傷することが彼らの目的だった訳ではないから事前に警告の電話を入れたが、三菱重工側は悪質な悪戯と取ったのだろう。警告の電話を切って対応を取らなかった。警告のタイミングから、爆発までの時間がかなり短かったということはあろうが、例えそれが充分であっても恐らく多くの死傷者を出したことに変わりはあるまい。日本国内での爆弾テロは、それだけ遠いものだったのだ。
    死者8名、重軽傷者376名を出したこの事件でメディアは、実行した人々を人間と看做さないという状態であった。だが、本当に彼らはデモーニッシュな何者かで人の心のかけらも無かったのだろうか? 今作で描かれる彼らは優しく、正義感が強いうえに純粋で、非差別的である。そんな彼らが何故これだけの事件を起こしたのか? が問われていると同時に彼ら自身のオトシマエの付け方や悩み、社会的弱者救済という理想の前に立ちはだかる鵺のような普通の人間の差別意識や、変更を迫る者達に対する敵愾心や敵意或いは無視! 等の状況が淡々と紡がれ、考えさせる舞台になっている。

     今、安倍のような偽物が恰も人物であるような振りをして「日本国」首相としてその地位にふんぞり返り、日本会議のメンバーを優遇して己の地位安泰を計り、追及は悉く隠蔽と詭弁、嘘で逃げ回りながら、宗主国、アメリカの意を忖度して植民地経営に当たる愚を鵺達はどう観、これだけの高支持率になっているのか? ミサイル防衛を強化するだのとアホなことばかり言っていないで、原発即時全廃を決め、廃炉作業中にミサイルを撃ち込まれないようにするのが先決だろう。核弾頭を搭載していないミサイルでも原発に命中したら、その被害は甚大なものになるのは、どんなに想像力の乏しい者が考えても当たり前のことである。F1人災の被害を矮小化し帰還を促すプロパガンダに汲々としている推進派だが、日本人の犠牲の上に何を築こうというのか? と言った現在の問題についての疑義を投げかけるだけの問題提起を今作は孕んでいるであろう。

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    2017/03/29 16:13

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  • 松本さま
    とても意味のある公演だと思います。
               ハンダラ 拝

    2017/04/02 13:26

    ご来場、クチコミコメントをいただきありがとうございました。千秋楽まで頑張ります。

    2017/04/01 22:50

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