ルート67 公演情報 劇団あおきりみかん「ルート67」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    人生になぞらえたロード・ムービならぬロード・ライブのようであるが、そこには人の深い思いが込められており観応え十分であった。

    少しネタバレするが、パンフに主宰・鹿目由紀女史が「好きな道というものがある。高校の頃好きだったのは並木道の向こうにピンクのネオンが美しい宝飾店がある道だった。夕方、自転車でさわやかな木の間を抜けていくと、ピンクのネオンが夕闇の中に光っていて、なんだか外国に来たような気持ちになった」とある。この情景が舞台そのもの。
    (上演時間1時間35分)

    ネタバレBOX

    日本ではないであろう、ルート67という道を巡る物語。物語の本筋は間違いなく「ルート67」であるが、この道は取り壊される(廃道)になるという。一方、脇筋としてこの道を守ろうとする動き(1人の女子高生)があり、いつの間にか本・脇筋が相互に侵食するように関わりあって行く。

    舞台は日本以外の異国または架想国に設定することで、さまざまなルールに捉われない自由な発想で描いている。基本になる舞台美術は、両側に傾斜のある平台スペース、中央奥にポールが数本立っているのみのシンプルなもの。

    物語はタイトルにあるルート67という道が無くなる。それを何とか阻止したいと思うランナーたちの奮闘劇。いろいろなランナーが登場するが、道を守るために立ち上がる姿を喜劇的に描いている。各々のランナーのラン・スタイルに潜むエネルギーを登場人物に豊かに発散させている。その観せ方は、とにかく走る、その姿をいろいろな角度(傾斜台を利用し後方からの姿、ポールを使い真上からの姿など)で演出し躍動感という印象付をしている。

    一方、この道の景色が好きで毎日眺めている女子高生がいる。その親友が何とか道が無くならない様、工事現場へ日参する。この場面はオー・ヘンリー「最後の一葉」を連想してしまう。風景の移ろいに人生の足取りを重ね、走る早いテンポと抒情が感じられる緩いテンポという緩急が心地よい。
    このシーンへの転換は薄明の中で、ベンチ、並木などが配置され、パンフにある鹿目女史の高校時代の風景を彷彿させるようだが…。

    このルート67の存続をめぐり、民主主義の原点は個人の思い覚醒と連帯だという向日性をしっかり描いた秀作。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/03/14 15:53

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  • くろじし先生さま

    素晴らしい作品でした。
    特に観客に楽しんで観てほしい、という思いが伝わるところが良かった。
    次回公演も楽しみにしております。

    2017/03/24 17:33

    素敵なコメントをありがとうございます。
    是非とも次回もお越しください。
    お待ちしております。

    2017/03/23 02:59

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