CABACRAT 公演情報 junkiesista×junkiebros.「CABACRAT」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    キャバクラという男のオアシスとも言える場所で働く女性の夢か現か幻か…この数奇な物語は、1人の男と6人の個性あふれる女性が織り成す甘美で切ない話である。この物語の情景をしっかり観せてくれる豪華な舞台美術。
    本公演は9年前の再演ということであるが、とても魅力ある舞台であった。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    「CBGKシブゲキ」というこの公演に相応しい様な豪華感ある劇場。客席上部にはミラーボール、舞台上手奥に少し高くなったママの部屋らしきスペース。客席側が店内の応接セットがおかれ、下手が店の出入り口にあたる。その横に「招き猫」の置物。またその横は階段になっており2階部に別スペースが設けられている。舞台中央には、店看板”KIT CAT”が掲げられているが、少し斜めになっている。客足が遠のき閑古鳥が鳴くような斜陽状況をイメージさせる。

    全体的に真紅というよりは、深紅という豪華にして重厚という雰囲気が漂う。その美しく幻想的な色調に彩られた店内。一方、そこで働く女性たちは、辛苦ある思いを心の奥に封じ込め、何事も無いかのように振舞う、その透明感が対比を成しているようだ。

    物語はママ(林希サン)の亡きオーナー(大村俊介サン)への想いを中心に、店キャスト、隣店(珍獣クラブ?)の元同僚が巻き起こすドタバタ喜劇。しかし、底流には、一人ひとりの女性の”心の対話の物語”が挿入され、その観(魅)せるパフォーマンスもダンス、歌、またはその組み合わせというサービス。本当にこの店に遊びに来た時のショーを観ているような錯覚になる。もっともダンスは、シャープさというよりは面白さを意識した緩いものであったが。出来れば、スピード感あるキレキレなダンスとスローダンスという緩急、そのメリハリがあればもっと楽しめたと思う。
    店もそこで働くキャストも往年のような勢いはないようだが、古く感じるかもしれないが、別の意味で新鮮…大事な忘れ物を思い出させてくれる、そんな初心を…。

    さて、小道具というよりは演出上重要なのが、招き猫。この猫が落ちて割れたことを契機に、オーナーが事故死、店が流行らなくなった等、キャストの思いはそこに集中している。その招き猫の破片が見つからず、前足部分に穴が開いている。そんな時、地方からキャバクラ勤めを望み現れた女性(よねこ)…自分では”寄猫”と思っていたが、その心を見透かされたかのように、ナレーションで”米子”という名であることが紹介された。それでも八十八の末広がり。この店、いやこの団体junkieのミュージカルという枠を飛び越えまくった新感覚エンターテイメント、こんなのまた見てたい!!!

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/02/12 15:41

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