満足度★★★★
約60分。テンション、ユニフォーム、体力粘力押しの語り口に笑える。一年前の凱旋公演(トラム)以来のお目見え、ペナントレース固有のワールドは小さな箱でも健在だ。一見脈絡を無視した(今回は話がMacbethだが抽出場面も三、四箇所と大胆)ナンセンスの域に接近しながらも、どこか整然とした端正さがある。例えばミジンコの眼差しで文学作品を眺める視点をいかに獲得するかの闘争を大声で戦い(そんな場面はないが)、バカ騒ぎの中に美の神との対話ででもあるかのような崇高さが滲む(ほめすぎか)。役者は大真面目に仕事を遂行し、決して自ら笑わない。ストイックなパフォーマンスは折り目正しく繰り広げられ、二手に分かれた客席と太柱の『楽園』で立ち会った初日、台詞は瞬間危うい所もあったが、許容範囲っしょ! 逆に、恐らくは突貫工事で仕上げただろう役者らの体力に目が向く。とにかく随所で笑え、この笑いは高度である。