満足度★★★
鑑賞日2017/01/16 (月)
ゲキバカ「独狼」@萬劇場1/16マチネ観劇
過去「密八」はDVDで、今作はリメイク。
演出者が異なり、更に俳優陣も再演ではあるが初演の方は居ない。
軸となる「ノライヌ」を廻る様々「生」と「死」。
ある意味輪廻転生を信じたいと思わせるラスト。
音の使い方、舞台の使い方、背を持たせない囲み舞台。
その事により、より、空間が広がる。時折、演者が見上げる白い雲や、青い空、などがふと見える様な気がした。
ストーリーテラーの「サイギョー」。
彼が語る物語。そこに、息づく個々の想いが生き生きと交差していた。
今作、菊池祐太さんの「ヤマト」背負ってるもの故の利己的な醜い魂、を感じました。王としての立場。生き別れていた弟「ノライヌ」との再会。
徐々に「ノライヌ」の力に、恐怖、妬みを抱き、最後には暴君と成り果てる。
狂気を感じさせる芝居がとても良かった。
酒井俊介さんの「ゼニーロ」元々この役はこのホンの中でも「ぶれない絶対的な愛」の役割なのかなと。
親から子への掛け値無しの想いが一番表現として適してるのかと。
その「ゼニーロ」の愛を受けて育っている「ワッパ」
彼女の天真爛漫な瞳が見届けた戦い、そして、様々な優しさの心。
ラスト、娘から女性に成長し、新たな命を抱く姿は慈悲に溢れていた。
伊藤亜斗武さんの「マルベエ」異国の漂流者。言語の異なる彼の表現方法は他の演者に無いもので伝えてくる。目。時に楽しい時のコミカルな眼の光。悲しみの暗い光り。怒りの鋭い光り。そして、四肢の先端に意識を置き、言葉=台詞ではない感情表現だった。
志村朋春さんの「ノライヌ」多くを語らない寡黙な孤高の狼。
一番愛を求めて、声なき声を感じた。
山咲和也さんの「サイギョー」
彼の語るモノガタリは、きっと、旅する先々で息づくような気がした。
コミカルな役柄と人々を善き道へと導く知恵を持つ役柄を演じわけていた。
長南洸生さんの「アナグマ」再演に新たに加わった役。
「ノライヌ」とともに生き、最後の死も「ノライヌ」への絆を強く演じていた。
今作、舞台を二面客席の囲み舞台にし、大きな舞台美術はないが
時に逃げ惑う山の中、時に花々が咲く野原、建物や、村々など観劇者に
空間をイメージさせるような演出だった。
劇中の衣装も殺陣が多い舞台だったが
着物などの袂が邪魔にならないつくりや、和柄と洋柄の組み合わせ、所属する国のイメージカラーなどを盛り込んだ秀逸な衣装。
主宰の柿ノ木タケヲさんのホンはいつも、観終わった後心に
暖かい思いが溢れる。
そして、コミカルな演出も今作、西川康太郎さんの多趣味なところもうかがえた。
ゲキバカのひとつの挑戦というか、
新しい世代の善き公演になったと思う。