満足度★★★
基本的に、問題提起の作品は好きだし、それこそが演劇の本質だと思います。
そういう意味では本作品も<まあ、いい作品かも…>という事になるのですが、
最近のトラッシュの作風が演劇かどうかという疑問はまたもや増幅された。
<言語>から<自由の本質>、<ヘイトスピーチ><デモンストレーション><憲法>
<立法府><9条と平和の定義>果ては…
これは討論相手のいない「朝まで生テレビ」ではないのか?
居酒屋で口角泡飛ばして熱弁を振るう”左翼青年”の怒鳴り声を反論なしに素面で聴く会?
これもひとつの『形態』であるとするならそれも在りかなとは思うが、どうも琴線に触れない。結局は鬱陶しさを感じ、ともすると嫌悪の感情が生まれる。
「正論だ!聴けよ!!」といった押し付けがましさが<問題提起>を超えて訴えられる、観る者の自己・自我を大事にしない2時間半に耐えられなくなる。
扱うネタも回を追う毎に多くなる傾向にあり、煩雑さを感じる。
作品として<消化不良>ではないのか。
好きな劇団であり、演劇の高みを貫いている劇団だと思っているが、ここ数作は敢えて言えば演劇ではない。アジテートだ。これは寂しい。