『エンジェル・フォール騎士 ANGEL FALL KNIGHT』 公演情報 無頼組合「『エンジェル・フォール騎士 ANGEL FALL KNIGHT』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/01/27 (金)

    久しぶりに観た風吹淳平は円熟味を増してますますいいキャラになってた。
    定番の楽しみ、おなじみのキャラの安定感、それに今回は悪役が光った。
    音野暁さんの冒頭の衝撃的な姿も楽しかったが、中盤からの存在感に圧倒された。
    活劇の楽しさ満載、それにみんなあんなに歌が上手かったの!?とびっくり。
    次回に続くような終わり方がまたニクい。
    初日の硬さ故か、肝心なところで噛んだり台詞がかぶったりしたのがちょっと残念。


    ネタバレBOX

    「探偵小説さながら、喪服の女が依頼人としてやってくるような事件」を待っている
    私立探偵・風吹淳平の事務所を、まさに喪服の女が訪れて事件は始まる。
    クリーンなイメージで当選した女性市長の秘書だった堅物の男が
    愛人と飛び降り心中というニュースが毎日報道されていたが、彼女はその妻だった。
    夫の無実を晴らしてほしいというその依頼に調査を始めてまもなく
    彼はひとりの男にぶち当たる。
    それは風吹自身の過去にまつわる男だった…。

    サウスベイシティという、金と欲にまみれた街で起こる事件。
    クリーンな政治家の理想と無力感が良く伝わる展開で、
    ハッピーエンドにならないところもかなりシビアなストーリーだった。
    社会のリアルなダークさを描きながら暗くならないのは
    からりとした風吹淳平のキャラクターと所々に差し込まれる笑いのおかげだ。
    “時が止まって歌が始まる”という力技もそのひとつ。
    B級活劇らしい荒唐無稽さと、理不尽な巨悪の実像がうまくミックスして
    大変楽しいエンタメ作品になっている。

    今回は風吹淳平の過去が改めて紹介され、私は初めて彼の前歴を知った。
    そうだったのかぁ、という感慨で、改めて現在の彼を理解できたように思う。

    人気シリーズには、優れた悪役が必要で
    今回は特に音野暁さん(ロデオ★座★ヘヴン)がとても良かった。
    冒頭の女装・歌・ダンスというこれまで観たことのない音野さんを見て
    びっくりしたり感心したりしたが、中盤から悪役を生き生きと演じて見せた。
    この方は目立たない市井に埋もれるような役も上手いが
    冷静でありながら時に狂気を孕んだ一面を見せる役が素晴らしかった。
    台詞の間とテンポがセンスのよさを感じさせる。

    社会悪の犠牲となった桐山を演じた黒木尚典さん、“負け犬の矜持”とも言うべき
    強い信念が伝わる熱演だった。
    再会した淳平と実に楽しそうに拳を合わせる場面が印象的。
    宿敵・泊役の滝澤信さん、銀髪が美しく細いあごに良く似合って敵役として完璧。
    こういう魅力的な悪役がストーリーを面白くする。
    クールさに加えもっとアクの強さが出ると、さらに強烈な印象を残すと思う。

    次の12月公演を最後に終了するという「騎士(ナイト)シリーズ」。
    シラカワさんの“ひときわ高く上がる長い脚”が生かされるような
    新シリーズを期待したい。

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    2017/01/28 00:17

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