亡国の三人姉妹 公演情報 東京デスロック「亡国の三人姉妹」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    タイトルからして「亡国の」なんて付けて、「かなりあざといな」と思っていた。
    かもめの舞台を1930年代の日帝時代の朝鮮にする、なんてところも。

    ネタバレBOX

    タイトルからして「亡国の」なんて付けて、「かなりあざといな」と思っていた。
    かもめの舞台を1930年代の日帝時代の朝鮮にする、なんてところも。

    さらに人形を使ったり、バイオリンが出てきたりと、ふざけているのではないか、と思うほどのあざとい演出だ。ラストはあざとさの集大成であった。

    サイレンとともに打たれる半鐘の音は、5年前の震災を思い起こさせる、ようにできているのではないか。もう、この音は聞きたくないと思っていた。舞台で散々聞かされてきたからだ。それをあえて使うのは、それでも観客の耳に届けたいという意思があるのだろう。耳を塞いだ手を無理矢理こじ開けて、記憶を激しく呼び覚ます。
    今日性というか現代を、そこまでして絡め取りたいのか、と思う。

    東京デスロックは、このあざとさが好きなのだ。
    役者を長時間棒で縛ったまま演じさせたり、45分間ただ立たせたり、など。
    その貪欲さがいいのだ。そして常に挑戦的である。
    貪欲すぎて、滑ってしまうときもあるが。

    観客の、いい意味での思い込みや深読みを期待しての演出で、ウケ狙いであるかもしれないし、意外と浅いのかもしれないが、それでも面白いのには間違いないし、前へ出ようとする挑戦的な意思があると思う。なので、やっぱり東京デスロックは好きなカンパニーなのだ。

    0

    2017/01/11 03:33

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大