満足度★★★★
鑑賞日2016/08/10 (水)
8人の女優が魅せる『夏の夜の夢』。夏の夜の開放感と祝祭性をふんだんにまとった、艶やかなシェイクスピア。歯切れのいい演出とパワフルなキャスト陣の活躍で、盛夏にふさわしい濃密な時間を過ごすことができた。
出演者が発表になった時点で、岡田あがささんのティターニア、七味まゆ味さんか深谷由梨香さんのパック……などが頭に浮かんだが、予想はまったく外れていた。しかし、意外に感じていたキャスティングも実際に観てみればぴったりハマって、見どころの多い舞台となっていた。
たった8人での上演なので、(パック役の千葉雅子さんをのぞいて)アテネの人々と妖精たちと職人たちと、3つの役をそれぞれ演じていく。
大公とハーミア役の役者さんがオーベロンとティターニアをも演じるパターンは割に見かけるけれど、それをひとつひねって、大公を演じた岡本あずささんがティターニアを、ハーミア役の七味まゆ味さんがオーベロンを演じるのもオール女性キャストらしい配役で面白かった。
千葉雅子さんの飄々としたパックの存在感、深谷由梨香さんの演じるボトムのチャーミングさ、岡田あがささんのやたらイケメンなディミートリアス、葉丸あすかさんの可憐なヘレナなど、バリバリに存在感のある女優陣に、初々しさを感じさせるライサンダー役の長尾友里花さんとパンチの効いたハーミア役の福井夏さんの健闘も印象に残った。