たたかうおとな 公演情報 演劇企画アクタージュ「たたかうおとな」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「子供の喧嘩」よりも始末が悪い「大人の喧嘩」…【Bチーム】
    子供の喧嘩によって話し合うことになった夫婦2組の壮絶な会話劇。当初は大人らしく穏やかな話し合いが続くと思われたが、大人と言えど人間である。その性格が段々と露わになり、自分自身のこと、夫婦間のこと、さらには男女という性差による感情など、錯綜し漂流するような会話が面白く描かれる。
    前説であった上演時間を越えて約1時間30分。

    ネタバレBOX

    舞台セットは、赤い壁のリビングルーム。中央にソファーとローテーブル(その上にチューリップが入った花瓶)が置かれ、壁際に飾り棚やハンガーが配置。上手側は台所や洗面所へ通じる。下手側にソフトクッションのような椅子2つ(白と黒)

    梗概…ザッカリー(9歳)がイーサンを殴打し、イーサンは前歯2本を折る怪我を負った。この”こどものけんか”により、加害者男児の両親が、被害者ロングストリート宅へ赴き、話し合いをする。被害者・イーサンの両親は、ホームセンターに勤務する父・マイケルと、アフリカに関する書籍を著す作家の母・ペネロピ。加害者・ザッカリーの両親は、多忙な弁護士の父・アランと投資ブローカーの仕事に就く母・ナンシー。両家の話し合いは、最初は良好なものだったが…。
    何故か帰れなく話し合いを続けている。そうした中で、アランは製薬会社の薬品データ偽装の訴訟を抱えており、会話の途中に何度も電話がかかる。一方腹痛を起こしたナンシーは嘔吐し、吐瀉物がアランのズボンとペネロピの蔵書にかかる。
    アランとナンシーは互いに無関心。マイケルとアランがスコッチを飲み始め、女性2人も酒が入って口喧嘩もヒートアップ。アランとペネロピが口論となるが、途中に電話が何度もかかりアランの携帯をナンシーが取り上げ、花瓶の中へ…。

    ある言葉(台詞)や瞬間(仕草)によって、人の機微に触れ機嫌を損ねるような地雷を踏む。この限定空間(リビング)にはいろいろな所に地雷があるようだ。各人の視点から描かれており、被害者・加害者意識から妄想、感傷、軽視、認識の欠如を思わせるような場面が次々に暴き出される。その批判は相手夫婦のみならず自分の伴侶にも及ぶ。大人としての論理的な対応が必要、そんなことが垣間見えるがまた感情的な言動と行動を繰り返す。そこには子供より始末が悪い人(大人ゆえ)の本質が見えてくる。内面(性格)と外面(職業)を纏った人、その”たたかうおとな”は見応え十分。

    この翻訳劇は面白いが、それを体現する役者陣の演技が硬く、その力量差もあったように思う。人物の性格や社会的地位(職業)を醸し出すような、演技に血肉があればもっと面白いかと…。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/01/08 14:25

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  • 大関雄一さま

    コメントありがとうございました。
    また返信が遅れて申し訳ございません。

    公演「たたかうおとな」は面白かったです。漂流するような会話、その行き場(先)に仕掛けられた地雷を踏むもの。翻訳劇ですが、日本人(自分)でもその可笑しさ、一方、摩訶不思議な狂気を十分堪能できる仕上がりだったと思います。

    次回公演も楽しみにしております。

    2017/01/17 19:55

    この度は演劇企画アクタージュ第4回公演「たたかうおとな」にご来場いただきまして、ありがとうございました。

    細かく舞台を観ていただけて感謝です。
    硬さと力量差、ご指摘の通りだと思います。次回公演までには改善し、もっと良いものをお客様にお届けできるよう頑張ります。

    次回公演、期待していてください!

    演劇企画アクタージュ主宰 大関雄一

    2017/01/16 23:07

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