満足度★★★★★
鑑賞日2016/05/07 (土)
実際にあった出来事を、わずかに位相を変えて寓話めいた形で描きつつ、その筆致は生々しい。敵兵を「鬼」の姿で描くけれど、実際に鬼の所業を行っているのは人間、それも同じムラに住む人々だ。欲望や憎しみや見栄や保身やウソ。力尽くで女を襲ったり、権力を嵩にきて人々を死に追いやったり、生体解剖をしようとしたり。物語の最後に置かれた70年後の戦争。この舞台の原型となる作品は、戦後70年を迎えた年に上演されている。寓話というには収まりきらない時代への思いが、そこにこめられているのだろう。
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2017/01/08 12:13
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