満足度★★★
クロジはお初の劇団。全体的に豪華で見応えのある舞台でした。天井の高さを生かした美術がきらびやかで美しく、全体を見渡せる後方席の観劇の方が良かったかも。ヒラヒラとした帯が金魚の尾びれのようで印象的でした。そして普段声優をされている方の発声と滑舌はさすが! 誰が遊郭に火を放ったのか?登場人物全員に動機があるミステリーのようで、最後まで目が離せませんでした。たくさんの人が死んでいくなか、せめて最後のシーンで萩泉と睦のその後が語られ救われた感じがしました。個人的には棗と嶋の件をもう少し膨らませてくれると嬉しかったのですが、ストーリーの本筋から言えば仕方ないでしょう。嶋のフェミニストぶりを自分だけに向けられた愛情だと思い詰めてしまった棗は、開き直れなかった純粋さも含めて哀れだし、共感もできました。
蛇足。劇団名とタイトルのイントネーションがわたしが思っていたのと違っていて衝撃!
「クロジ」は黒字と同じ、「きんとと」は金箔と同じ。
両方ともアタマにアクセントだと思ってました。