リアリティ・ショウ 公演情報 虚構の劇団「リアリティ・ショウ」の観てきた!クチコミとコメント

  • おかえりなさい、鴻上さん
    今回の鴻上作品、
    第三舞台の一番切れていたときの匂いがかなり戻ってきたような・・・・。
    設定や物語の展開に、再び切れが生まれてきたように思います。
    少なくとも一時のように、想いが先行して、観客と乖離していたような作品ではありませんでした。

    前回公演と比べて役者たちもすごく育っていたような・・・。
    ふらつきの無い演技でパワーを持って観客を舞台側に引き寄せていたと思います。

    ネタバレBOX

    やはり鴻上さんのお芝居に好々爺のようなあたたかさや癒しはにあわないような・・・。

    今回のように冷徹でシニカルな視点があって、初めて彼の作品は観客の心に響くのだろうと思います。
    ぞくっとするような現実が最後まで貫かれるから、彼一流の舞台上のテクニックが生きてくる。ダンスや体の動きで表現するその場の空気や真理などが、粒子のように観客席に伝わってくる。

    今回の作品には、揺り戻しのようにやってくるマインドコントロールの副作用や、性に関する個々の心情にリアリティがあって・・・。
    また、ロミオとジュリエットに登場人物を加えるという発想も、非常にうまく機能していたと思います。

    まあ、昨今の秀逸な演劇たちが持つ心理描写のきめの細かさからすると画素は荒いものの、鴻上演劇流の良い表現がたくさん出ていた作品かと・・・。
    役者を育てる能力や、物語の構造を裏から照らすような力。彼の才能を本当に何年ぶりかに実感たことでありました。

    旨くいえないのですけれどね・・・、作品の感動とは別に、鴻上さんがこの作品を上程出来てほんと良かったなって思った。

    終演後、劇場の出口で客出しする鴻上さんに、迷惑も顧みず、「よかったですよ、鴻上さんが戻られたような気がします」と一声かけてしまったことでした。

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    2008/12/18 12:01

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