旅立ちの人 公演情報 アンティークス「旅立ちの人」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    色々盛り込まれているような
    人間ドラマをサスペンス・ミステリー風な展開で描く。主人公の少年時代のトラウマ、それを乗り越えた先の恐るべき反動、後々それに絡んでくる脇筋をともないながら歪な正義が物語の発端となる。
    ミステリーとしては、伏線の張り巡らせ方は弱いように感じるが、サスペンスという点では迫力・緊張感があり楽しめた。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、段差があるだけのほぼ素舞台。正面は白い壁、両側には衝立のようなもの。置かれているのはいくつかの椅子。シーンによって椅子を動かし情景や状況を作り出す。それだけに役者の演技力が重要になってくる。全体的なバランスも良かったが、主人公・栗原真司(五島龍之介サン)の少年時代を女性キャスト(三品万麻紗サン)が演じているところに多少の違和感。

    梗概...真司は元刑事で、強引(暴力的)な捜査、取調べで犯人やその家族から恨みをかい、妻が殺害された。その犯人と思しきグループに復讐し刑務所で服役している。そして元同僚から娘が難病で入院していることを聞く。囚人仲間1人と脱獄して会いに行く。その途中で不思議な青年・トモ(隆辺耕作サン-記憶喪失のよう)と出会い行動を共にすることになる。実は、真司の少年時代の親友という設定だ(ミステリアスにして異界感)。また妻を殺害した真犯人は、一緒に脱獄した男であることが明かされる(唐突感)など、ミステリーとしてはリアリティのなさ、ご都合的なところがある。

    しかし、人間のドラマの観せ方としてミステリーという手法を用いていると思えば、その核となる人物(人生)の描き方はドラマチックであった。苛めというトラウマの反動は、その後の人生を狂わすほどの影響があった。一方、我が娘への愛しさ、会っても真実を打ち明けられない切なさ。

    公演は、得体の知れない憎しみをぶつけ合い、愛を求め合うような物語。全体的に不穏・不安な雰囲気に包まれているが、随所に挟み込まれる病院(室)や青年トモとの出合いと触れ合い場面が心を和ませてくれるのが救いであった。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/11/20 22:31

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  • 中沢志保さま

    コメントありがとうございます。
    アンティークスの芝居は最後まで目が離せない、そんな魅力があります。
    今後の公演も楽しみにしております。

    2017/02/05 14:00

    劇団員の中沢です。
    ご観劇ありがとうございました。楽しんでいただけたなら幸いです!今後ともアンティークスをよろしくお願いいたします。

    2017/02/05 02:05

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