Rock'n will~石の意志~ 公演情報 super Actors team The funny face of a pirate ship 快賊船「Rock'n will~石の意志~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    豊かな発想、大胆な設定
    最近「影の者」だった忍者が話題になっている。2015年10月には忍者ゆかりの自治体などが参加した日本忍者協議会が発足しているという。

    今年は、ずばり「真田十勇士」をモチーフにした映画があった。忍者ブームは何度かあって、その当時の社会情勢が反映されてもいたらしい。そういえば、小説、漫画、映画、TVドラマなどいろいろな媒体で登場してくる。

    本公演は、忍者の特長である忍術、体術それに諜報術が紹介されていたが、劇団の真骨頂...殺陣・体術が素晴らしかった。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、アクションスぺースを確保するため、下手側に数段高くした小広い踊場のようなスペース。イメージは物見所、その下に幕が掛かる抜け穴のみ。

    登場人物は、歴史...特に戦国時代に興味を持っている人ならば聞いたことがある者が多い。冒頭は本能寺の変から始まる。暗躍する忍者は真田十勇士でもおなじみ、霧隠才蔵(金村美波サン)、猿飛佐助(夏上瑛助サン)が真田家に仕えて...ではなく別の方向へ物語は進む。
    忍者は眩い黄金(小判)次第で仕える先を決めていたようだが、ここでの黄金は輝く稲穂に準(なぞら)える。乱世における弱き人々への目線。そこには城の上からでは分からない。才蔵が片膝立て穂の高さになり、撫でる場面は静的である。一方アクションは動的である。この観せ方、メリハリがあり印象付けが巧い。公演全体が魅力的な観せ方になっており、そこに現代における貧富の差など格差社会への皮肉が込められている。

    さて、漫画に「カムイ外伝」(白土三平)というのがあったが、そこでは抑圧され、身分制度の外に生きる者」としての忍者像があった。まさしく時代は廻り現代日本の色々な問題に対峙するような...。

    役者陣の熱演...特に殺陣などのアクションシーンは観応え十分である。物語も実に発想豊かで大胆な設定の裏日本史を観ているようで面白かった。
    ただラストが放り出されたようにあっさりし過ぎて、諦念のような印象を持った。もう少し余韻があっても良かったのではないか

    次回公演も楽しみにしております。

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    2016/11/07 19:37

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