満足度★★★★★
名演
4時間50分、休憩2回。ワーグナーは生舞台に限る。録音に収まるものではない。コニエチュニー(ヴォータン)が絶品で、圧倒的な歌唱だった。髪型に貫録がなかったのでいっそのことスキンヘッドにしてほしい。シュメンテ(ブリュンヒルデ)も実に素晴らしい。この二人だけでもチクルスで観たくなる。第1幕出ずっぱりのヴェントリス(ジークムント)は数回声が飛びかけたがすぐ立て直し、フルオケに負けず安定した熱唱に魅了させられた。ラング(ジークリンデ)は歌唱だけではなく、演技にも目を引かれた。アダム・フィッシャーの悠々たる指揮が名演奏。道具も衣装も演技もやりすぎないことで、飽きの来ない、いいプロダクションだと思う。最難関のヴォータン語りも無事眠らずに観た。曲、歌、演奏、演出がいずれも見事な名演だ。久しぶりスタンディングオベーションした。