フリック 公演情報 新国立劇場「フリック」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    大好きなんです、こういう芝居
    市井の若者の人間模様が秀逸。

    ほぼ3人芝居で、同じ職場で働く若者達が、日々の会話の中で、御互いを深く知るようになり、関係性を深めて行く様が、実にリアルに投影されます。

    アメリカやイギリスでの上演では、もっと人間描写が、ギスギスした感じなのではと想像しますが、マキノさんの演出は、どこか、日本の人情喜劇風な色彩でした。

    木村さん、ソニンさん、菅原さんの、等身大の人物造形が秀逸で、3人とも大好きになってしまいました。

    マキノさんは、群像時代劇などより、こういう登場人物の少ない、現代劇の演出手腕は抜群だなあと、嬉しくもなりました。

    観客の入りが少ないのが、何とももったいない公演でした。

    ネタバレBOX

    寂れた映画館で、エイウ゛リーと新入りのサムの二人が、客席の掃除をするシーンが、概ね、8割を占める芝居。

    掃除をしながら、二人が会話を重ねて行く内に、映画の趣味は全く違うのに、お互いに、好感を持つようになり、やがて、映写室で働くローズも加えて、3人の関係性が変化して行く様が、絶妙な描写で進行して行きました。

    会話で、語られる映画を全て観ていたら、より深く、この作品に共鳴できたのにと、ちょっと残念!

    人間は、誰しも、秘密や不安を抱えていて、それを、心を通わせられる相手をみつけると、相手に依存したり、相手に期待し過ぎてしまったり、勝手に、信じすぎて、裏切られたような気持になったり、そういう、誰にでもある経験を丹念に掬い取った戯曲が秀逸で、あるある度100%で、舞台の3人に、気持ちを同化させて、観ていました。

    もっと、宣伝して、再演してほしい芝居です。

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    2016/10/31 04:10

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