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思い出のブライトンビーチ
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クチコミとコメント
公演情報
劇団グスタフ「
思い出のブライトンビーチ
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10492)
満足度
★★★★★
アンチセム
の中で生きるということ。
ネタバレBOX
舞台は1937年、アメリカNYのブルックリン地区。下層中流の人々が暮らすブライトンビーチ。この街に住むユダヤ系一家の物語を中心に描かれた作品だ。作家は優れたシナリオ作品を多く書いたユダヤ系作家ニール・サイモン。NYブロンクスで1927年7月4日に生まれている。今作は、1983年の作である。
この時代、TVAで何とか大恐慌を凌いだとはいえ、アメリカの民衆は、決して楽な暮らしをしていたという訳でもない。ましてWASPでないこの一家は働けど、働けどといった状態であり、夫を亡くした体の弱い妻の妹が、娘二人と厄介になっている他、この家の息子も二人が同居、都合七人の所帯である。思春期の従妹同士には、微妙な感情も芽生えている。家庭としては何処にでもありそうな家庭である。無論、ユダヤ系であるということはあるのであるが。シナリオ自体、個々のキャラクターを極めて個性的かつ自然に描いている点、その個々人に社会と時代の荒波が嫌も応もなく押し寄せ、砕こうと襲い掛かってくる様を、それぞれの抱える事件・事情と個々人の悩みとして見事な対比させて描きつつ、各々が決断してゆく過程を具に描いて見せている所にこのシナリオの極めて優れた普遍性を見ることができる。同時にこのように選り抜かれたシナリオを演目として選び、舞台化したシアターグスタフの見識の高さ、これだけのシナリオを自然に見えるように演出し、演じた演劇の総合的な力もまた確かなものである。ベテランは無論のこと、若手もいい演技をしている。
作品の完成度は以上述べた如く素晴らしいものである。が、作家50代半ばに書かれた今作でさえ、シオニストがパレスチナ人に行っていた、ナチがユダヤ人にやっていたと同じような行為が(これは現在も続いているのだが、)作家と今作に影を落としていないことは残念である。
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2016/10/25 20:50
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