〻のメルヘン 公演情報 フロアトポロジー「〻のメルヘン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    WHITE ROOM
    タイトルから僕が勝手に想像していた舞台とは少し違ったけれど、
    チケットの写真の意味が分かった気がします。
    なるほどそうきたか、という感じで。

    たぶん答えは一つのはずだけど、容易にたどり着かせてくれない。
    そこが狙いの演出であれば、この見せ方はかなりきわどいテクニック。
    そんな観劇後の余白がかなり多くあったと思います。

    ただ、時間軸が過去と未来が織り交ざった舞台でもあるので、
    そこにたどり着くためのエッセンスや表現が、
    あと数滴あってもよかったかもしれないな、って思いました。
    (分かりやすさが全てではないですが、、)

    僕が想像していた年月よりも、実はもっと長い年月の世界を描いた
    作品だったのかもしれないな、と。

    ネタバレBOX


    冒頭、日記を開くところに降り注ぐ光、そのスタート具合と、
    ラスト、左側のお店でケーキを食べるシーンと、右側で一家の時間が止まるところなど、
    美しく魅せていたと思います。

    普段は従順な仮面を被っている襟那が母に本音で向かっていくシーン、
    記憶喪失、または多重人格的な状態の母であるとしても、
    この時だけはちゃんとわかってて、でもそれをかわす、
    本気でぶつかっても通じない心。
    襟那の悔しさの表現に見入ってました。


    以下、長いですが、僕の推理とかもろもろを・・・

    最初の夫とその愛人が死んだのは、今回の作品世界のどのくらい前か?

    襟那の幼少時の記憶から遡ると死から20年くらい過ぎてる訳で、
    で、その殺害を自供した管財人は、ずっと捕まらずに今にきた訳で、
    (であれば時効が成立してるのでは?というところ)

    遊馬が飾屋家にやってきたのは、夫と愛人の死から何年後なのか?


    最高に楽しかった1年間の再現を、これまで何年繰り返してきたのか?
    (今回が初めて?それとも、これまでも&この先も続ける)
    前者のような気がするけれど、僕は後者に思えていました。

    その役目を背負うことになった野間、
    菜々子と恋に落ちてから、菜々子が病に倒れ、
    彼女を助けるために他人になりきる仕事を選択するまでには、
    相応の時間が必要だなと思うのだけれど、
    遊馬役の人を他にも何人もキープしてるのか?とか思えてきたり。

    母以外の登場人物は、最初は週刊誌系の記者に追いかけ回されてる人たちな印象だったけれど、
    後半につれて、その聞き手はたぶん菜々子だと観客は気づかされるわけで、
    じゃ菜々子はなんでそれを当事者に聞きまわっていたのか?
    その理由がうまく導き出せない。
    (思い出させることでの父への復讐か。特に襟那には効果的な印象も)

    聞きまわっていたのは、ラストシーンの、ケーキ代という名目の報酬を受け取ったあとの時間軸?

    この時間が入ったりきたりの部分の混乱も、また狙いだと思いますが、
    登場人物の服装の工夫で解決したのかもしれない。
    (管財人なら、スーツの上着を脱いでネクタイを外すとか)
    でもあえてここをしないというなら、僕の推理も外れる訳で。

    僕の中では、
    菜々子は実は病気でもなんでもない。
    2番目の夫との日々のRetraceをするために、
    菜々子はエージェントとして毎年報酬を受け取っていて、
    菜々子とは管財人と共に遊馬になる人を探している。
    (でもこれだと聞き手が菜々子である、というところには結びつかないから違うかも。いや、聞き手は菜々子1人とは限らないかも、、)

    最初の夫とその愛人の間には、子供は2人いて、
    1人が使用人、もう1人が菜々子。
    使用人は潜入しているスパイ的な感じで、姉妹でグルになってる。

    実際に菜々子が病気だったとしたら、
    利害関係の一致で仕事を引き受けただけなのか。。

    ただ、付き合ってた恋人を利用したにはあまりにも非情すぎる。
    となると、やっぱりあれは病気ではなかったのではないか、という想像にも膨らみ。。

    まとまらなくなっちゃった。
    でも観劇後にこうやってあれこれ考えるって滅多にないから、
    新鮮なことをされているんだなぁと感じました。

    そんな意味で、舞台セットの白=実験室、的な要素もあったのかな、と。

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    2016/10/16 03:01

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