満足度★★★
実に「ふつう」の気持ちで。
物語の枠を作る(「起」の部分)のに1時間ほど。
ようやく物語が立ち上がったかと思ったら、早くも真相に気づいてしまう。
「承」の段階で「結」を予測させてしまうと、「転」は長い説明になってしまう。
ミステリというのはそこが問題であって、問題を解決した途端に引力を失う。
他にも引き寄せる要素が欲しかったが、いまいち感じにくかった。
恐らくあえてステロタイプな人物や設定を使っているのだろうけれど、
おかげで「ドラマ」の枠に収まってしまい、怖さを感じることはない。
そんな中でも、記憶に残る役者も少なくない。
中心を担う女子高生の中でも、安川結花・阪田瑞穂が際だった。
安川は、だんだん立ち上がってくるキャラクタが凄みがある。
阪田は、ナチュラルさが、逆にリアリティを立ち上げることに成功している。
そして、菅野貴夫。この人がいなければ、舞台が落ち着かなかったろう。
初めてのアロッタファジャイナだったので、図りかねる部分はある。
でもまあ。
結論から言うと、至って「ふつう」の気持ちで劇場を出たのでありました。