「マンヂウ団地妻」  公演情報 あなざーわーくす「「マンヂウ団地妻」 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    楽しきゃいいじゃん!
    初あなざーわーくすでした。
    マンヂウカフェという空間で行われる、毎回20名程度しか入れない、限られた空間で密接にお客さんと触れ合って、本当に手を伸ばせば届くところで演じられるお芝居。
    当日パンフにも書いてあったけど、小難しいことは抜きにして、とにかく楽しきゃいいじゃんというあきれるほどの前向きさに溢れた作品でした。
    こういう演劇もたまには見ていいんじゃないでしょうか。

    ネタバレBOX

    「遅れているお客さんが二人ほどいますが、先に始めさせていただきます。途中お客さんが入ってきますけど、気にしないで芝居は続けます。もしどうしてもダメだったらもう一度やり直すかもしれませんけど。」
    そんなゆるーい感じで、役者がお客の誘導係りや接待も兼ねたお芝居は、神楽坂の路地を入った古びた小さなマンヂウカフェの2階の畳の間で行われたのでした。
    部屋は10畳もないくらいでしょうか?
    猫が座布団でコロンと寝てるのが何とも微笑ましい!

    入場時にドリンクのオーダーを聞かれて、チャイを注文。
    マンヂウはお芝居の中ほどに、お芝居の中の一幕として持ち運ばれてお客に振舞われます。熱々でおいしいです!
    狭い会場に20名ほど詰め込まれているのですが、役者さんが狭い中を掻き分けて、お客に触れ合い語りかけながら進んでいきます。

    1960年代に団地ブームによって発生した人種「団地妻」。
    そんな団地妻のひとりアキコは20歳離れた夫と団地暮らしだが、ジェネレーションギャップで話題も合わず、孤独を感じて生活していた。そんな中、不思議なマンヂウ屋が持ってきたマンヂウに魅了されてしまう。それを食べると性的興奮が高まってしまうのだ。
    団地妻たちがアキコの家で集まっている時に皆でそれを食べて興奮して思わず皆が全裸になったところに夫が帰ってきてしまう・・・。
    焦って混乱したアキコは旦那を包丁で殺してしまうのだった。

    そこからアキコの放浪の生活が始まり、キャバレー「団地」に居ついたり、記憶を失って病院に流れ着いたり。
    最終的にはその病院の主治医の子供をはらんでいたけどそれが初恋の田中君だったことが判り、一緒に海外に高飛びして子供を産むのだった・・・。
    そしてその子供があまりに可愛くておいしそうで・・・。(赤ん坊はマンヂウで表現してます)
    その赤ん坊をふたりでむしゃむしゃと食べるというブラック過ぎるエンディング。

    正味1時間のお芝居だったけど、お祭りに参加しているような楽しさで、正に「体験」するような感じでした。
    アキコ役の若人あきこさんの、熱の入りすぎた熱演振りが逆に面白くて、それを取り巻く3人はマイペースでゆるーく、そしてある時は力強く、緩急自在に演じつつ、とにかくお客さんを巻き込んで楽しませる。

    かなり強引なところもあったりするけど、でもそれでも楽しい雰囲気を作ってしまう役者さんたちの心遣いはとても温かいです。

    立派な劇場で凝った照明と音楽で、全て計算されつくした舞台もいいけど、たまにはこういった人の血の通ったお芝居もゆるーりと楽しみたいものです。


    合う合わないは人それぞれだと思うので、とりあえずこの「あなざーわーくす」という演劇のジャンルを体験してみてほしいです。
    もっとあなざーわーくすさんの舞台が体験したいな。

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    2008/12/09 01:58

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