満足度★★★★★
なんとかなるよ。
一人の社会人として、一家の主人として、子を持つ親として、この言葉を言うべき、あるいは言いたいタイミングは今まで何度もあった。そしてその度に「なんでこんな簡単な言葉が言えないのだろう? もう喉元まで出かかっているのに。。」
安易に言ってしまうと、なんだか無責任な感じがしてしまう。でも心のどこかでそうであってほしいと思っている。そんな葛藤をしている間に、つい口にするタイミングを逃してしまう。
未来志向のようで現実逃避のような、力強いようで弱々しいような、でも本当は勇気と決断に満ちた、それを伝えるべき相手を温かく包み込む魔法の言葉。
「なんとかなるよ。」
そういえば昔、母がよくこれを言ってくれたよな。その度に素直じゃない自分は『何を根拠に?』とか思いながらも、悪い気はしなかった。
そして、大事なこと。
今を境に過去を振り返ってみると、本当にすべてなんとかなっている、ということ。
おそらくこれからの自分の人生で、魔法の言葉が必要とされる機会はまだまだあるだろう。そんな時に、実際に発することができたなら、それは今日の日のおかげだと思う。
ヒロインのようこさん、いろいろと辛いこともあったでしょうが、舞台が終わった瞬間、主人公とようこさんの明るい未来を想像することができました。物語の続きが、目に浮かぶようでした。あの魔法の言葉に支えられながら。