満足度★★★★
会津魂を観る
幕末の物語は、その視座によって描き方が変わる。例えば、新撰組などは暗殺集団と言われ、後には賊軍という汚名を着せられても魅力ある物語になる。本公演で描かれる会津藩・白虎隊は日本史の教科書に載るほどであるが、その魅力は何であろう。
それは、混迷を極める幕末において愚直なまでに至誠を貫く姿...それも十代の少年たちの一途な思い、そして悲劇性が後世の人々の心を打ったのかもしれない。本公演では、そんな思いが十分伝わる物語になっている。
脚本・演出は灰衣堂愛彩女史、そして出演者は全員男性である。女性の視点で捉えた男(武士)の世界...それは紛れもなく会津藩精神を体現しているようであった。
制作に関して、灰衣堂女史自ら場内入り口で当日パンフを配付し、前説・上演後挨拶など丁寧な対応をしているのには驚いた。