この公演では、突き動かすような台詞の感覚が魅力的であった。その最大の効果は状況が瞬時に表現されること。観客には、今観ている世界だけではなく、物語に横たわる歴史とロマンという悠々たる時空を想像させる。だから、在るがままの目に観えるものだけではなく、底に幾つもの豊饒な層があり、その潜在するものが観客に伝わり”感動”という意識を刺激する。 その台詞とともにアクション・演技...こちらは観たままを楽しませるという娯楽重視(多少コミカルな動きなど)のようであった。 この表現・体現が見事に融和しており、「シアターグリーン BIG TREE THEATER 」という劇場が異空間に紛れ込み、我々観客もろとも長い不思議な冒険に連れて行ってくれたようだ。まさにテンターテインメントの醍醐味を味あわせてくれた。