満足度★★★
映画版より数段面白い
大谷健太郎監督の映画版(04年)を観た時は「期待したモノとは違った」な印象だったが、その内容を知った上で観たこと以外に、やはり舞台がオリジナルだけにこちらの方が数段面白く感じる。
往路と復路の間に休憩が入るというのも舞台ならではでちょうどいいブレイクになる(映画はコレができないことも不利?)し、モロモロ考えるに「密室系」舞台劇の映画化はけっこう難しいのでは?
列車のコンパートメントが舞台となっているだけに、縦に長い演技エリアを挟んで対面式の客席が2列あるというスタイルで、天井に張られたテープが走っている列車をイメージさせたり、開幕ベルが列車の発車時の電子音だったりで、劇場内ではありながらけっこう臨場感があったりもする。
また、終盤でトラブルによって舞台の照明が落ちた時に「またトンネルか?」「真っ暗だと誰を指名しているかわからないな」などと即興のセリフを入れてカバーしつつ演技を続けたキャストの機転もお見事。