イヌの日 公演情報 ゴーチ・ブラザーズ「イヌの日」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    長塚圭史の戯曲【イヌの日】を観劇。
    演出は、ゴジケンの松居大悟。

    好きだった女の子、むかついた奴など同級生四人の男女を防空壕に15年も好奇心で監禁してしまった少年・中津。
    そこに閉じ込められてしまった男女には、食料などをちゃんと供給されているからか、立派な大人に成長しているのだが、社会との接点がない為か、中身は子供のままである。
    そしてある日、中津の友人・孝司が彼らの世話をする事になるのだが、この異常な状態を阻止しようと、監禁された彼らを逃がそうとするのだが......。

    作・演出の長塚圭史版は観ていたのだが、すっかりその事を忘れてしまい、観終わった翌日にやっと気が付いた?という体たらく。
    だがその当時は、それほど印象になかった作品であったようだが、演出家が変わって時間を得て観て見ると、戯曲が放っているメッセージにはゾッとしてしまうほどだ。
    今作は15年も監禁された異常な状態の中で、監禁する側、された側の心理状態を描くのではなく、人間が生きてく上で取得する道徳、教育、社会性などを得る事が出来なかった者が社会にどれだけ悪影響を及ぼすのか?という警告が戯曲の裏に隠してあったようだ。

    常に観終わった感が充実する長塚圭史の戯曲だが、その裏を読みとらなければ大損をしてしまうカラクリには気をつけなければいけない。

    傑作戯曲である。

    0

    2016/08/21 13:26

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大