満足度★★★★★
風姿花伝プロデュース第三弾、プレビュー公演を観劇。
休憩を挟み、後半長めの4人芝居。2幕目は尻の痛みを覚悟して臨んだが、尻を気にする余裕もなく、芝居に飲み込まれた。
千葉哲也演出・出演。最初はなじみづらい「翻訳劇」の劇世界と感じたが、最終的には頷かされた。
小川絵梨子の翻訳について、評価する素養はないが「翻訳調」ではなかったし、こなれた日本語の台詞になっていたと思う。
心理的圧力=拷問・・・ 言葉が相手に与えるダメージ、に関する研究が行き着く先とは。。人間心理を研究し実践し尽くした者の前で崩れ落ちる生身の人間を見ながら、イラク戦争時に使用されたグロテスクな最新兵器を思い出した。それらの前に、人間は当然ながら脆弱な存在だが、「武器」をつぶさに眺めると、その武器が人をどういう風に殺す武器なのか、作る者の「思想」と言えば大袈裟だが、それがあるように思える。本編のテーマとはズレるが、そんな事を考えた。考える余白をしっかり残す作品。深い。